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ハァハァ… 大樹は川べりに座り込んで肩で息をしている。 走ったから、というだけのことではない。 切り落とされた首を思い出してまた吐き気が襲う。 酸っぱい味が口中に広がり、大樹は手で川水をすくうと口をゆすぐ。 そしてまた水をすくい、血で汚れた顔を洗う。 まるで鼻や目がとれそうな程に激しくこすると、また手をついてぐったりする。 さっきからずっとこれを繰り返している。 「…ダイ……」 紗弥加がポケットからハンカチを取り出して大樹の顔をふく。 「紗弥…オレ、見ちまった。あの悲しそうな目。感じちまった。胴体と離れてのあの人の最後の吐息…」
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