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「よし、借りるぞ」
そういうと晋太郎は左側の部屋の襖を閉める。
「さあ、右側の部屋へ」
「えっ?左側じゃないの?」
尋ねる加代の手をとって立たせる。
「いいんだ。ほら、それより早くしろ。間に合わなくなる」
そう言われれば何か階下が騒がしい。
どうやら店の主人が必死に志士たちの侵入を阻んでいるようだ、が…
「ええい、あるじ!どけぃ!!」
遂に強行突破したようだ。
下を走る足音が近づく。
「くっ!間に合わん!おみよも隠れていろ!
大樹、おなご達を頼むぞ
…あと襖は開け放しておけよ」
そういうと晋太郎はクルリと向きを変えて刀を抜いて構えた。
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