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右上段に構えた刀が振り下ろされる。
そのとき、大樹の目が無意識にスゥッと細くなった。
そして次の瞬間…
男には大樹が消えたように見えた。
大樹はかがみ込むと男の右脇を通り抜けて
部屋の正面の壁にへばり付くように刀をかわしていた。
目標を失い空を切った刀がふすまを切り裂く。
「か、かわした…!?」
かわせた驚きとかわされた驚き
意味は違うが大樹と男が同時に呟く。
「こいつ…」
男は刀をふすまから抜く勢いそのままに右肘鉄、右裏拳、刀の斬撃と三連攻撃に移る。
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