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「おい、刀を捨てろよ」
大樹の声に反応して男が振り向く。
と、同時に力なくさがっていた右腕が動き大樹を襲った。
「よくも……よくもよくもよくもおおおぉ!!」
ただ闇雲に振り回される刀は軌道が読みにくくて大樹も避わすのに必死になる。
「おおおぉ……──」
雄叫びをあげていた男がふと動きを止めて辺りを見まわす。
そして部屋の隅で小さく固まって震えている紗弥加たちに気づく。
すでに目に狂気の宿る男に睨まれた3人は更に身を寄せ合い縮こまった。
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