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「キャー──!!」
加代の悲鳴と共におみよが膝が力を失い崩れ落ちて行く。
倒れる寸前に晋太郎が手を出して受けとめたが
その腕の中でぐったりと力なく横たわる。
駆け寄ろうとした大樹は
ふと背筋に寒気を感じてとっさに
先に動き出して今は横を走る紗弥加を突き飛ばした。
そして今、紗弥加のいた場所を刀の一閃が光る。
「ちょっと、なにするn…」
文句を言いかけた紗弥加は途中で言葉を失った。
自分を突き飛ばした大樹の左腕の下
脇腹から赤い液体が飛び散ったのが見えたのだ。
おみよに小刀を投げつけた男は再び手にした刀で斬りかかってきていた。
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