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「ハハハハァ!ハァ!!」
狂ったように男が暴れる。
その足元には
脇腹を押さえてうずくまる大樹と腰の抜けた紗弥加。
少し離れて放心した加代。
反対側にはすでに青白い顔のおみよと…
なにか後ろの景色がグニャリと歪んでいる晋太郎。
その晋太郎が刀を抜いた。
静かにゆっくりと、しかし揺れることなく一直線に…
「ハアアァァァァ!!」
そして一声吼えると男に向かっていく。
男は振り下ろされる晋太郎の一撃を頭の上で受け止めた。
…つもりだった。
だが、受け太刀の腕は晋太郎の力に押し潰され
キィィンンンン!!
男は普通の受け太刀の音をさせながらも頭から鳩尾の辺りまで斬りさげられ
盛大に血飛沫をあげてあお向けに倒れていった。
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