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おそるおそる、といった感じで大樹がゆっくりと目を開く。
「あれ?なんだ?」
しわがれた低い声で呟くと
体を起こそうと手を床につく。
その手がなにか柔らかいものに当たる。
見ると大樹の腹に抱きつくように紗弥加が眠っていた。
その紗弥加の腰の低い位置(もうほぼ尻)に手が当たっていた。
―これは…怒られる!
慌てて手を離し改めて紗弥加の背中に手を置く。
「紗弥、紗~弥~?」
少し揺さぶる。
「あたしはサーヤじゃない!!」
いきなり意味不明なことを口走りながら紗弥加が目を覚ます。
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