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「はい、見てましたよ?」 こともなげに答える 「じゃあ、おみよが殺られたのも見ていたのか?」 「おみよ?ああ… あの後藤さんにつきまとっていた娘ですか? 見てましたよ」 「…見てただけか?」 「? いやあのときのあなたの反応は素晴らしかったですよ? 感心しました」 「そうじゃない! あの娘が倒されるのをなにもせずに見てたのか…? 沖田総司ともあろうものなら助けられただろう?」 「あの娘は後藤さんの女だ わたしが守る義理はないですよ」 「…そうか」 そう、そういう世界なのだ。 自分の身は自分で、他人についてはその価値がなければ守ろうとはしない。 特に死線をくぐる新撰組のような男達にはその傾向が強いのだろう。
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