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「…人間うぜぇ」
肉を頬張る俺の傍らで、相棒がそう漏らした。
いや、確かに人多くて鬱陶しいけど……
その言い方はないぜ、流石に。
まぁコイツらしいっちゃぁらしいが
うーん、そうだな、ここはこの不良っ子君のご機嫌とりを致しましょうか。
「外、行くか?」
俺の誘いに、ゲイルボルグは首を縦に振って応えた。
そういう仕草は子供っぽいな。
というわけで、俺達は皿に乗せられるだけのフルーツと肉を持って屋敷を出た。
出た、といっても入り口とは反対側。
広い庭園。
どこかいい場所はないかと、中央を走るレンガの道を進んだ。
ちらちらと男女の姿が見えるが、まぁ、深い詮索はしないでおこう。うん。
少し歩くと小さな屋根が見えた。
庭園の中にあるティータイムスペースだろうか。
とりあえず行ってみよう。
「立ち食い禁止」
皿の上に手を出したゲイルをすかさず咎めた。
お行儀悪いぞ。
時期当主だろ、キミ一応。
いや、俺もだけど。
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