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「…nine」
甘いテノールが俺の愛想を拒絶した。
ちょ……完全拒否かよ、しかも特殊言語(日本語以外の言語を指す)で。
お兄さん寛容だと自負してるけど、流石に怒っちゃうぞ。
「別にいーじゃねぇか、座るくらい」
ゲイルボルグは相手の言葉を無視して椅子に座った。
早速皿の上の肉を食べ始めている。
はぁ、コイツはなれ合う気ゼロ、と。
しょうがない、お兄さんが場を取りまとめましょうかね。
「せっかくのパーティーだからさ、ダベるくらいいいだろ?」
またまた兄の方が睨みつけてくる。
何、俺達警戒されてんの?
横でお行儀良く座っている妹は、無愛想な兄の顔と、立ったままの俺を交互に見ながら困惑していた。
可愛いな、この子。
「年上のくせに愛想振り撒いて寄ってくる。貴族の社交界なのに庶民並の行儀で話しかけてくる」
無愛想な兄の方がいきなり喋り出した。
「相手が誰かもわからないのに敬語を使わない。オマケに不良引き連れて兄貴分気取り」
ちょーっと、何言ってんすかこのガキンチョ。
流石に寛容と自負している俺でも(ry
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