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ガサガサ…
草木を掻き分けて、何かが進む音がする。
冬が終わり、様々な植物が芽吹き、成長し始める春。
そんな時期に、こんな山奥までやって来た存在。
ガサッ
少し開けた場所に出て、この進みにくさに嫌気がさしたように溜め息をついているのは、今より少し幼い先輩ことチェンベイだった。
「…ったく。草木を全部刈り取ってやりたくなるな」
目が据わっているが、それでも目的地への歩みは止めずに進んでいく。
たどり着いたのは一つの大きな洞窟だった。
チェンベイは自分の武器である鎌を取り出し、魔力を安定させて火の玉を作った。
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