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そうなってくると、彼等は人に喜んでもらえることを純粋に楽しむようになった。
「ありがとう」
それ言う人の笑顔が、どんなに心を温かくしてくれるか…
彼等は初めて知ったのだ。
そんな中で、龍牙はまるでヒーローのような存在だった。
龍牙が居なければ、きっと人の温かさを知ることも無かっただろうから…
ある日、
「俺、教師になる。教師になって、子供と真剣に向かい合っていきたい…龍牙さんに教わった事を伝えていくんだ」
「俺は警察官になるんだ。真っ当な道を歩けなくなった奴にまともな世界を見せたい。…龍牙さんがしてくれたように」
「俺、絶対国会議員になる!龍牙さんが見せてくれた素敵な世界を、もっと素晴らしいものにするんだ!」
…まぁ、そんな感じで彼等の将来の目標が決まった。
更に、全国的にボランティアを行う団体を結成。
募金活動や他国への救援物質、チャリティーバザーなんかも行っている。
余談だが、その後その高校は、近隣地区でトップレベルの進学を誇るようになった。
以前は喧嘩も絶えない学校だったため、この変化があった数年は学校の歴史に残り、語り継がれていくことになる。
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