準備期間

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様々な思いを巡らせながら教室に戻った。 「あ、陸」 「どした?怒られた?」 教室に入るなり、空が話しかけてきた。 「ん?あぁ」 「…?」 「何かあったんか?」 「陸ーー」 「あんたまた怒られたの?」 タイミングよくヒカリが話しかけてくれた。 「うるせーよ」 「少しは真面目にやりなさいよね」 「はいはい」 「わかってますぅ」 「空、売店いこうぜ」 今からは45分の昼休み。 この時間が1番幸せ。 「お、おう」 さっきは、突然で聞かないままだったが、何故俺なんだろ? もっと優秀なやつはいっぱいいるのに。 空に言えばどうなるんだろ? 空は、戦闘機に乗りたがっている。 わかってないんだ。 戦争に出れば自分の命も危ないという事を。 至福の45分が終われば、午後からは授業。 午後からの授業は男女共に、各機の仕組みやら、機能、性能など…これまた戦争で役に立つお勉強。 だけど、この日は全く頭に入らなかった。 まぁいつもこの時間は集中力が欠けて、頭に入ってないけど…。 クラスのみんなも怠そうに時間を過ぎるのをただ待つだけ。 そんな中、空だけは真面目に、興味津々に授業を聞いていた。 1年前の普通の授業では、1番に机と睨めっこしていたのに。 俺は、何故空が戦闘機にこだわるのか、この時は知らなかった。
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