準備期間

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俺と空は、校門を抜け町の方向に足を向けた。 「あーあ、またヒカリちゃん怒らせたな」 「うっせーな」 「嫌なら戻れよ」 「い、いや、そんなんじゃないけど…」 「キャハハ」 「何動揺してんだよ」 空わっかりやすーい 「なっ、動揺何かしてないって」 「陸何言ってんだよ」 『ドスっ』 「痛っ」 俺の背中に勢いよく、何かが当たった。 振り返る。 「いってーな何だ…よ」 「んげっ」 俺と空が、後ろを振り返ると… 「ヒカリ」 「ヒカリちゃん」 「もぉ何で逃げるのよ」 「お、お前」 「掃除は?」 「サボった」 「はぁー?」 「さ、サボったって」 「じゃあ誰が掃除すんだよ?」 「知らなーい」 「知らないって…」 「ギャハハハ」 空は、大声で笑っていた。 俺は目をパチクリさせて、キョトンとしていた。 それは、余りに予想外の出来事で。 ヒカリがサボるなんて、今までなかった。 「あんた達遊びに行くんでしょ?」 「私も連れてって」 「はぁ?」 「連れていけって言われても…」 ヒカリから、思いきり睨みつけられる。 「う…まぁいいけど」 「アハハハ」 まだ笑っている空。 「つーか何かあったんか?」 「……」 「べーつに…」 「行こっ」 「お、おい」 ヒカリが俺と空の腕を握って進み出した。 ヒカリと空とは小学校から中学校まで暗くなるまで遊んだ。 高校になってからは、なかなか遊ぶ機会もなく、どこかに行った事はなかった。 「まぁ久しぶりだし、いっか…」 「陸何か言った?」 「んぁ別に…」
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