準備期間

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「久しぶりだね」 「ん?」 「2人で歩くの」 「あぁ俺も思ってた」 「……」 何話していいかわかんねぇー。 普段なら普通に話せるのに… 「ヒカリさぁー空の事どう思う?」 あ、ヤベっ いくら会話が無いからってこんな事聞いていいんか? 「どう?って?」 「いやー、何てゆうか」 「そのー、や、いや、やっぱりいいや」 「好きだよ」 「え?あぁマジで?」 「そっかぁ」 「友達としてね」 「陸も好きだよ」 ああ、そういう意味ね。 まぁいーや。 なんだか知んないけどホッとした。 なんだこの気持ち、ハハ。 空と別れて数分で、ヒカリの家に着いた。 玄関の前で立ち止まる。 「じゃあな、ヒカリ」 「うん」 「何つーか…元気だせよ」 「…うん」 「あの…」 ヒカリが俯き、俺は心配になって近づき、ヒカリの肩に手を当てた。 「どうかしたか?」 「さ…さっきの話しの続き」 さっきの話し? あれはもう終わったんじゃ? 「陸の事は…友達じゃないよ」 「はぁ?何で?」 「さっきは好きって…」 俺何かしたっけ? 「うん、だから友達としてじゃなくて…」 「好き…だよ」 『ボトツ』 俺は、持っていたカバンを落とした。 それは、俯いたヒカリが顔を上げ、肩に置かれていた俺の手を引き寄せ、俺と唇を重ねたから…。 俺は、突然の出来事で状況を理解出来ずにいた。 俺は、空の気持ちばかりを優先してヒカリの気持ちに気付くのが遅れた。 そして、自分の気持ちにも…。
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