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俺は、電車に乗って地元を目指す。
空との待ち合わせ場所に行く為に。
何だか不安げで、頭の中は勝手に悪いイメージばかりを描いていた。
こんな事で壊れるような友情じゃない…よな…。
いや、空にしてみれば、『こんな事』じゃない…よな。
頭の中を不安でいっぱいにしたら、すぐに目的地に着いた。
それから15分程経ち、空の金髪が見えた。
「ういっす」
「待たしてごめんち」
空が片手を少し上げて、近付いて来る
「ううん、どした?」
「うん…」
「よっこいしょ」
俺から少し離れて、空が座る。
「昨日はビックリした」
あーやっぱりその話しか…
でもあやふやにするよりは、ここで誤解を解いた方がこの先楽だ。
「あれは、違うからな」
「昨日も言ったけど、ヒカリはお父さん亡くなって気が動転してたんだって…」
「だから、今まで1回もあんな事ねぇし」
「だから別に…俺とヒカリは何にもないからな」
「本当に?」
「当たり前だろ」
「お前がヒカリ好きなの知ってんの…あ…」
「知ってたんだ」
「いや、その…なんつーか……うん」
「だって空…分かりやすいし…」
「…」
「キャハハ」
「そっか知ってたんだ」
「何で笑ってんだよ」
「アハハハ」
「ごめん、ごめん」
「なーんか陸が慌ててるのがおっかしくて」
「はぁ」
「意味わかんねぇ」
「アハハハ」
「ごめん、ごめん」
俺は何を心配していたんだ。
空との友情が壊れる訳ねぇだろ…アハハハ。
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