準備期間

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しかし、返ってきた答えは… 「ダメだ」 このハゲは、今時珍しい熱血教師。 何を真剣にやってんだか… こんな時代に… 「ウース」 「おはよー」 「おはよ」 俺と空は渋った顔のまま教室に入る。 冷房の効いた教室。 「あー涼しい」 教室に入るなり空は、だらし無い顔になる。 「あんた達また遅刻?」 声をかけてきたのはヒカリ。 立花 ヒカリ 同じクラスの女子。 気が強く、いつも俺と空に絡んでくる。 「うっせー」 「ギリで間に合ってたんだって」 「なぁ?空」 「う、うん」 空はヒカリの事が好きだった。 聞いたわけではないが、一緒にいれば誰が見てもわかる。 「チッ」 「明日はちゃんと早く来なさいよ」 「はいはい」 俺は耳をほじりながら怠そうに返事した。 まぁこれがいつもの、朝の始まりだ。 そして、授業が始まる。 その授業だが、1年前から少し変わっていた。
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