準備期間

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そこで考えられた策が、建物と人間を一気に壊すことのできる戦争。 矛盾している様に思えるかもしれないが… さっきも言った通り、この国はもう救えない。 壊すことで何かを変える。 リセット。 ゲームで言えばそんなところか。 『八木ぃー』 『何回言えばわかる』 「あーあまた八木ちゃん怒られてんよ」 「あいつ向いてないよな」 「俺みたいにバァーってやればいいのに」 空がジェスチャーで射撃を真似る。 「空は向いてるよな」 「射撃も上手いし」 「マジですか?」 「プッ、陸に褒められちった」 「何かコツあんの?」 首を傾げる空。 何かを考える時、空は頭を斜めにするのが癖だ。 「コツって言うか」 「何かバァーって」 そして、少し変わり者。 まぁ、一緒に居てスゲー楽しいけど、たまにウザかったり… 「バァーって何だよ!」 「まぁでも、体力はねぇーけどなぁ」 「まぁね」 「でもさぁ俺と陸が合体すれば最強だよなぁ」 「敵なんかあっと言う間にやっつけられんのに」 敵? 敵とは誰の事だ? そう、この国の相手はこの国だ。 西日本と東日本。 この2つを無理矢理半分にし、戦争する。 家族や親戚、友人や恋人も関係なく、2ヶ月後には敵であり、味方になる。 狂ってる。 だが、何度も言うように、それ以外にこの国を救う術はない。 例えそれが、100年前の惨劇を繰り返す事になったとしても…。
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