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体育館はネットで二つに分けられて、部活が行われていた。バドミントンは奥のコートでストレッチなどをやってるとこだった。
結那たちが緊張しながら入っていくと、先輩が気付いて手を振ってくれた。顧問の先生に言われて、壁際に並んで先輩達を見ていた。
しばらくすると、他にも何人か一年生がやってきた。他のクラスの子らしく、名前も顔も知らなかった。結那の隣に並んだ子が、
「見学?」
と話しかけてきた。
「そうだよ」
「もう、バド部に決めてるの?」
「まだだけど、たぶん入ることになるかな」
「そうなんだぁ。私、友達に誘われてきたんだ。」
その時、「集合」の声で、先生の周りに先輩たちが集まってきた。結那たちも静かにするようにした。一通り、先生の話が終わった後、見学の一年生の方を見て、
「ジャージ持ってきてるか?」
と聞いた。結那も含めて何人かが頷くと、
「着替えてこい。せっかくだからちょっとやってみろ」
と言った。慌てて更衣室へ走って着替えていると、さっきの子が話しかけてきた。
「私、見学だけでいいと思ってたのにびっくりだね」結那は「そうだね」とは言ったけど、本当はあまり驚いてなかった。先輩に、たぶんやらされると思うから、ジャージとラケット持ってきた方がいいよ、と言われていた。ラケットはあまり張り切っていると思われるのも嫌であえて持って来なかった。
着替えてコートへ戻ると、先輩達はもう打ち始めていた。
先生に言われてコートの端へ行くと、先輩から借りたというラケットを持たされた。結那達の横にさっきまでいなかった一年生がいた。
「お前も一緒に素振りの練習だ」
と言われてる子は、結那の知ってる子だった。
「結那!来るの遅いよ」
その子は、結那と一緒の中学でキャプテンをしていた子だった。
「」
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