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その日もいつもと変わらず、一緒に家までの道を帰っていた。結那が先に学校を出たが、自転車だった憂樹に追い付かれてそのまま、一緒に帰ることになった。憂樹は結那を見つけると、「よぅ!」
と声をかけた。
「何、自転車だからって威張ってるの」
「威張ってないよ」
「せっかく自転車なんだから私の荷物も乗っけてくれる?」
「何それ?って、勝手においてるし…」
「憂樹のおばさん今日仕事?」
「そう。平日はほぼ毎日」
「そうなんだ。うちと一緒だね」
その後お互いのテストの点の話で、からかいあいながら、アパートの前まできた。
「結那、今日暇?」
「え?暇だけど…」
「今日誰も遊ぶやついなくてさ。親帰ってくるまで暇だから、うちこない?」
「一人じゃ寂しくて留守番できない?(笑)」
「違うよ!結那も暇だと思ったから暇潰しに誘ってやったんだよ。」
「なんで、あんたに上から言われなきゃならないの!」
「男の方がえらいんだよ」
「あんたのどこがえらいのよ。じゃあ、テスト終わったからご苦労様会でもしようか」
そして、結那は家からお菓子を一つ持ってくるとそのまま憂樹の家へ上がった。憂樹は部屋で、漫画を手にとっていた。
「何~人のこと呼んどいて本読むわけ?」
「これ、おもしろいんだよ。ちょっと読んでみろって」
それは今、流行ってる漫画の一つだった。結那は仕方なく一緒に本を読み始めた。結那は本を読み始めるとその世界に入ってしまった。
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