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「参った、俺の負けだ。さあ俺の首を落とすがいい。後悔はせん」
相変わらず目を閉じたまま男は兼平に言った。
「拙者はあなたに助けを求めてやってきたのだ」
兼平はなだめるような口調で男に言った。
「残念ながら将軍家に尽くすつもりはない。この村は将軍家によって皆殺しにされたのだからな」
男はそう言いながら十字を切った。
「何故将軍家がそのような事を…大義名分も無く村を焼くとは思えない」
兼平は将軍家を庇うというよりも思った事を口にした。
「確かに奴らにしては大義名分があったのだろう…だが俺はそんな下らない理屈を理解するつもりはない」
男の顔には強い憤りが現れていた。
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