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物語には必ず主人公が存在する。特に日本の昔話の場合、登場する主人公は特異なものが多いのが特徴であろう。
さてこの物語は日本に極めて近い倭国という国で起こった話である。したがって時代背景についての言及はご遠慮願いたい。
長い戦乱の時代が終わり、人々は再び束の間の安息に浸っていた。何しろ天下を二分する戦いが起こったのである。勝ったのは武将家康。その知恵で武将達の心をしっかりと掴み、また巧みな話術で武将を取り込み籍牙原の戦いは家康軍の勝利で幕を閉じたのである。
そんな事実はあくまでも人間目線であるがこの倭国には物の怪(もののけ)というものが住み着き、人々の泰平をいくども阻んできたのだった。
特筆すべきは鬼、風神、雷神、鵺であろう。物の怪の中でも危険な部類に入るのがこの物の怪たちである。鬼は凄まじい力を誇り、風神は人々の穀物の栽培を大風で穀物を根こそぎ引き抜く。雷神は雷で火災を起こしたり雨で洪水を起こしたりする。鵺(ぬえ)は様々な動物の体を持っている合成獣でこの物の怪が現れただけで疫病が流行ったりよくないことばかりが起こるのである。
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