第三章

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桃太郎と兼平は順調に歩き続け、一泊した後次の日の朝に金太郎が住む村へと辿り着いた。   「この村に金太郎がいると書いてある」   兼平は紙を桃太郎に見せながら言った。   「確かその家に住んでいたはずだ」   この村には比較的大きい家ばかりが立ち並び、壁にはどの場所にも派手な模様が描かれている。その建物の中でも特に大きく派手なものを桃太郎は指差している。   兼平は扉をノックすると  「失礼する」   と声を張り上げた。   「誰だ?てめえは」   今にも殴りかかってきそうな殺気に溢れた声が返ってきて扉を開けた。そこから出てきたのは髪をバサバサと伸ばし、体中に入れ墨をしたいかつい男だった。   「将軍家に仕えし藤原兼平」   兼平は頭を下げた。   「何だ、若造か。それで後ろの野郎は誰なんだ!?」   「俺だ…久しぶりだな」  桃太郎が兼平の前に現れた。
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