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「貴様は……桃太郎!!」
金太郎の顔が驚きで一瞬歪んだ。対する桃太郎は涼しい顔をして金太郎を眺めている。
「何故貴様がここにいる……」
金太郎は何とか言葉を発して言った。
「兼平殿をお助けする為だ」
桃太郎は兼平を見ながら悠長に言った。
「ほう。なら貴様は俺を殺しに来た訳では無いようだな…」
金太郎は玄関に立てかけてあった斧を持って、桃太郎にその切っ先を向けた。
「二人とも一体何が…?」
兼平の疑問にも
「黙っていろ、若造」
「兼平殿、事情はこれが済んだら説明する事にするから待っていてくれ」
二人とも全く耳を貸すつもりは無い。桃太郎も長刀を抜くと正眼に構えて
「お前は俺には勝てん…毎日酒を飲みくらかして日々の鍛錬を怠っているのだろう」
「ふん、訳の分からん異国文化の宗教を信じて妙な服装をしているのはどこのどいつだ?」
金太郎は桃太郎を嘲笑うかのようにニヤニヤ笑いながら言った。
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