第一章

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江戸城に雷が落ちた。天守閣が破壊され、何人かが命を落とした。この程度では自然現象と言えるのだが、将軍家康が正体不明の病に倒れ1ヶ月後に急逝したのである。同時に将軍家の人間にも原因不明の死に方をする者が相次いだ。   後に家康の長男秀忠が二代目の将軍になった。この秀忠、早くの段階から将軍家に迫り来る影が何らかの刺客によるものだと疑っていた。   「藤原兼平か…」   秀忠は江戸付近を統治している城主から腕に覚えがあり、かつ話が上手い人物を紹介するように頼んだ結果、この藤原兼平が呼ばれてきた訳である。   この兼平、若干23にして北辰一刀流の達人である。容姿は非常に美麗かつ端正なのだがその眼光は鋭く強いものがある。
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