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「はい、拙者が藤原兼平であります」
兼平は秀忠に深々と頭を下げた。
「なる程、なかなか美麗かつ強そうな男だのう。お主、ここに呼ばれた理由はすでに聞いておるであろうな?」
「話には聞いております。今回の将軍様一族を襲った災悪の根源の調査及び人為的な場合はそのものを斬れという仰せにございますね?」
兼平は平伏したままで上役から言われたことを反復した。
「その通りじゃ。頭を上げて構わぬぞ?私とてお主のような有能な配下の働きがあってこそ政が執り行えるのだからな」
この一言から分かるようにこの秀忠、なかなかの名君であり就任してから晩年に至るまで多くの配下の武将や武士、農民や商人にまで支持されていた珍しい殿様なのである。兼平は礼を述べて頭を上げた。
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