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PM9:00を過ぎた新宿歌舞伎町。繁華街。
ネオンの光がひときわ輝いており、各店舗の看板がキラキラと光り輝いていて、道行く人は皆、行きつけの店に急いだり、各風俗店のボーイに声をかけている人もいる。
そんな繁華街から少し離れた路地裏に一人の少年が顔を膝にうずめ座っていた。
その道を急ぎ足で歩いてくるスーツ姿の男。
その男はどっからどう見てもホストという成りをしていた。
彼の名は永遠。
急ぎ足で少年の前を通り過ぎる永遠は"ん?"と思い、足を止めた。
「お前、何してんだ?」と少年の肩をそっと叩いた。
少年は澄んだ瞳で、永遠を見つめた。
「行くトコないのか?お前、家出?」少年は首を縦な振り、そして横に振った。「ったく、しょーがねーなぁ。」そう言い、永遠は財布から2万円取り出し少年に渡そうとした。
でも少年は受け取ろいとしない。
不思議に思った永遠は、ケータイを取り出し、店に電話をかくた。
「すいません。ちょっと遅くなります。」そう言い、電話を切った。
そして、少年を立ち上がらせ、手をひき、人目をさけながら家へと急いだ。
家に着き、ソファーに座らせようとしても少年はなかなか座らない。
仕方なく思い「風呂入っていいぞ。」と少年にタオルを渡し、バスルームへ連れて行った。少年はじっと永遠を見つめてからいそいそと服を脱ぎ、バスルームへと消えた。
ドア越しに「カミソリとシェーバーとか使っていいぜ。」とだけ言い残し、リビングで煙草を吸って少年が出てくるのを待った。
30分後、バスタオルを腰に巻いた少年がリビングへとやってきた。
永遠は、出てきた少年を見て"これは使える。大物になるな違いない"と思った。
髪を乾かし、セットをし、永遠の着なくなったスーツを着せ、香水をふった。そこには顔立ちがキレイな少年。いや、一人のホストが出来上がった。
「これでよしっと」そう言い永遠は、少年をソファーに座らせ、ジュースを入れ、テーブルの上にそっと置いた。
少年はまたもや永遠をじっと見つめて、コップを取り、ジュースを飲み干し、「おかわり下さい」と消え入りそうな声で言った。永遠はニコッと笑い、ジュースを注ぎ、自分の食べた夕食の残りのおかずとご飯を出した。
少年はあっという間に食べ終わり「ごちそうさま。ありがとう。」と言った。
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