ー少年ー

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「おう。よく食うな。お前名前何て言うの?」「時。」「時か、良い名前だな。歳は?」「18。」「18?マジで!?身分証明持ってる?」「うん。」そう言うい、時は免許証を出した。 時の出した免許証をじっと見て永遠はニコッと時に笑顔を見せた。 「僕、確かに18だろ。」と自慢気に話す時を見て可愛い弟のように見えた。「あぁ、そうだな。確かに18だな。時、仕事は?」「してないよ。」「そうか。俺は、ホストしてんだけどやるか?」「うん。やってみる。」「そうか。よっし、今日から時はホストだ。わかったな。」「うん。僕頑張るよ。」「よっし。その意気だ。」と時の頭を撫で、ケータイを取り出し店にかけた。 「すいません。遅くなってしまって…。」「あぁ、永遠。どうしたんだよ。ミーティング始まってんぞ。」「すいません。ちょっと色々あって…。」「あぁ、そうか。店長来てるから早く来いよ。」「あっ、はい。」そう言い電話を切った。電話の相手は永遠と同期の拓美だった。 「急いで行くぞ。」「うん。」そう言い、永遠の後ろを必死でついてくる時。時の様子を見ながらゆっくり歩き、再びケータイを取り出し、店長にかける。 「あっ、花音さん。すいません遅くなって。」「あぁ、遠いいよ。お前は信用してるから。で、どした?」「えっと…今日、出勤前に俺がいつも通ってる路地裏あるじゃないですか?」「あぁ。あるなー。どした?」「そこの路地裏に少年がいてホストしたいって聞いて、あまりにもヤバイ格好だったから家に連れて帰ってたんですよ。」「あぁ。そん事ね、それだったら遅刻なしねーよ。で、面接って事だな。わかった。すぐ来いよ。」「あっ、はい。」と言い電話を切った。 時計をみると、22時半を廻っていた。"ヤバイな。タクで行くか。"「おい。時、行くぞ。」「うん。」そう言って走り寄っつくる時の手を引き、タクに乗る。時は窓の外をずっと眺めていた。 「時、お前、親は?」「いないよ。」「ホントに!?嘘つかなくてもいいんだぞ。」「わかってるって、でもホントにいないもん。僕、孤児院育ちで親の行方わかんないんだ。」と一瞬、寂しそうな目をしたのを永遠は見落とさなかった。「そうか…悲しかっただろ?俺がお前守ってやるから。」「ホントに!?ありがと。」とギュッとしてくれた。 18にしては子供すぎるが仕方ないのだろう。そう思ういながら店前へタクを向かわせ、店前で降りた。
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