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ビルの5階。"Club Princes."そこで永遠は働いている。
店のドアを開けると一斉に永遠の方を従業員達が向き「おはようございます。」と挨拶された。
「あぁ。おはよう。」永遠はそう言い「おいで。」と時の耳元で言い、店長のいる部屋に向かった。
皆、こそこそと時を見て話している。
時は怖くなって永遠のスーツの裾を掴み、ついて行った。
「おはようございます。」「あぁ。おはよう。」「ほら、お前も。」と時の肩を軽く叩いた。
時は緊張した様子で「おっ、おはようございます。」と頭を下げた。
「この子が言ってた子だな。身分証明は?」「これです。」永遠は、預かっていた免許証を渡した。「ふーん。18歳か。この子の様子だと孤児院育ちだな。目を見てわかる。お前が来た時と一緒の目。寂しそうで、でも力強く。名前は?」「時です。」「俺と似てるなんて言われても…。確かに共感できます。この子、時は俺が大きくさせます。この世界で。」「あぁ、頼むよ。」「あの…今日から働いていいんですか?」と時は店長に尋ねた。
「あぁ。いいよ。採用だ。」と、時の頭を撫でた。「ありがとうございます。」と頭を下げる時。そんな様子を見て永遠は"俺にもこんな時があったんだよな"と思い出を振り返っていた。
「おっし、ついて来い。皆に紹介するから。」永遠と時は店長の後をついていった。ザワザワとしていた店内が一気に静まり返った。「えっと…今日から働く"時君だ。"皆、仲良くしろよな。時の教育係は永遠に任せる。じゃあ今日も頑張っていきましょう。」そう言い、店長は奥へと入っていった。
皆、再びざわついていた。
皆が時に話しかける。
「俺、竜也(たつや)。よろしく。」「俺は圭吾。20歳。よろしく。」「僕は、努。18歳。」「俺は力(ちから)。23歳。よろしく。」「俺は、司。22歳。よろしく。」
こんなにたくさんの人に声をかけられたので嬉しくて仕方なかった時はずっと笑顔だった。
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