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「今回のホラーは当たりだったね。」
買ったものに手をつけずに、彼女は嬉しそうに言う。
「でも、わけがわからないところが多いよね。」
「そうだね。呪いの出所が最後までわからないっていうのは珍しいよね。
でも、ラストは頂けないな。」
思い返すように視線を外してから、ミラノサンドを一口頬張っている。
文句を言うわけではないのだが、彼女の食事は遅い。
というか、飲み込むまでの時間が長いように思う。
本人もそれを自覚しているようで、大勢で食事に行くときは軽いものを頼んでいるという。
それでも、会話が途切れないのは、不思議に思うことのひとつである。
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