ﾏｲﾉﾘﾃｨな彼女

映画

「つまり？」

「なんていえばいいのかなぁ。
あのバラバラな家族をつないでいたのが主人公だったでしょう？

彼がいてこその家族だと思うの。
それなのに、彼が死んでしまったら、家族はバラバラになるじゃない。

妹は兄を見殺しにした親を罵るだろうし、親はお互いに責任を転嫁して疎遠になる。

彼以外の誰かが犠牲になった方が幸せだったと思う。
そして、彼は家族を失った痛みに耐えながら、他の家族を支えていくべきだったんじゃないかなって。

その人しかできない役割ってあると思うのよ。
それを主人公が奇麗事をいって楽な方に逃げ出したようにしか思えなくて……。
でも、いい映画だった。」

作り物の世界をそこまで引き寄せて考えられるのは、すごいと思う。

映画を観て、感動したとか、つまらなかったとか、それぐらいの感想しか私は持たないから。