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「ニヤニヤなんかしてないぞ!」
「してたよ。僕見たもんね。」
ふふん!と自慢げに威張る進。だが高校生にして身長150センチ。おまけに童顔男が胸を張った所で、全く迫力が無い。。
今だに一人称は『僕』だし。
「威張るポイント違うし。いいから黙って待っとけ!」
「むぅ…。また彼女?」
「あぁ。文句あるかチクショー!!」
「だっていっつも『告白するぞ!』って言っておきながら止めるじゃないか。
見ている方は、もの凄くじれったくて…あと、なんかストーカーにも見えなくはないよ。」
ストーカーっすか…。凹みます。
「うるっさい!今日こそ告白してやるわ!!」
「今ので46回目だよそのセリフ。
…じゃあ今日告白出来なかったら…」
「分かった分かった!!
なんでも好きな物奢ってやるよ!」
「一食儲けたなぁ♪」
進はニコニコの上機嫌…略してニコ機嫌で鞄の遠心力を使ってクルクル回り始めた。
うっとおしい事この上ねぇ…
ていうか失敗を確信してやがるよ…。
だが今日の俺は一味違うんだ!何故ならば…
「通販で買ったイオンブレスレット!!
これさえあれば金運女運健康運!なんでもござれの便利ひ…」
「そういうものに頼ってる辺りで、すでに女々しいよ。」
いきなり進にブレスレットを奪われ、投げられた。
狙ったかのように…昇降口へ…そしてさらに狙ったかのように…
「あ痛!!」
一人の白髪女の頭にヒットした。
この女こそ、俺の待ち人である白石 雪(シライシ ユキ)その人である。
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