若いうちは、とにかく当たって砕ける覚悟を持ちましょう

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まだまだ梅雨真っ盛り?な6月上旬。 雨は降っていないにしろこのジメジメした環境における壮絶な不快感は拭い去れないものだ。 そんな空の下、一人獲物を狙うジャッカルのような眼で昇降口を見つめ…もとい睨み付けている人物が一人…ていうか俺。 その一見変態にしか見えないこの男が俺 坂入 春彦(サカイ ハルヒコ) 私立天野高校に通う17歳。 運動神経普通。 学力普通。 ルックス普通。つまり… 「主人公らしくないんだよな」 自分にツッコミを入れてしまうあたり、もはや可哀相な人を通り越してイタい人だ。 まぁいいよ。自覚しているだけマシだ。 俺がこんな薄暗~い所で昇降口を睨み付けているのには正当な理由がある。 聞きたいか? 教えてやろうか? どうしよっかな~♪ 「ニヤニヤするの止めようよ気色悪い…」 振り返ると、そこには中学からの腐れ縁である高坂 進(コウサカ ススム)が鞄を二つ重そうに抱えて立っている。
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