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「というわけで~着火!」
「うわ!危な!!」
いきなりラブレターの束に火を付け、それらは一瞬で灰燼と成した。
薄黒い灰が、ひらひらと夕日輝く空に舞う。
「読まないのか?」
「私ラブレター嫌いなんですよねぇ。言いたい事があるなら、正面から来やがれ!って感じです。」
残り火を足で踏ん付けて消すと、白石は校門を目指して歩き始めた。
「でも少しは読んでやってもいいんじゃないか?
きっと皆一生懸命書いたんだから。」
「その一生懸命さを違う所に発揮して欲しいもんですよ。
全く…最近の男ときたら…」
アニメ、ゲーム、漫画に異常な程一生懸命な奴が言うと、なんだか説得力があるような…ないような…いや、無いな。うん。
「さて♪じゃあ気分を変えて…行きましょう!」
「ど…どこに…?またアレか?ゲマーズだかなんだか…」
「正しくはゲーマーズですよ。今日は行きませんから安心して下さい。これから行くのは…カラオケです!」
「カラオケ?」
「はい♪…まさか行った事無いって言うんじゃ…」
「馬鹿にするな!
俺は影で『天野高校の中井くん』と呼ばれているんだぞ!」
「へぇ~そうなんですか。
…………はれ?」スイマセン。行った事無いんです。嘘ついてホンマスイマセン。
「図星…?ねぇ図星?(ニヤニヤ)」
「こ…こいつムカつく…」
「か○みんネタ~♪」
…。
誰がこいつの口を縫い付けてくれ。
じっちゃんの名にかけて許すから。
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