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「なら借りて見ましょう!
ていうか見ないと駄目です!
見なければなりません!」
must で来たか。
「別にいいけど…」
「じゃあ待ってて下さい!あそこで借りてきますから~!」
物凄い速度でレンタルビデオショップに突っ込み、入店してから3分も経たずに出て来た。
手には青い袋が一つ。
「はいコレです!
お金はいりませんよ。ポイントでタダ借り出来ました♪」
「そうか。じゃあありがたく。」
白石からビデオを受け取った時、ついに雨が小雨から本降りに変わった。
冷たい雨が体を打つ。
「うわわ!降ってきましたよ!」
「俺は家近いしなぁ…特に急ぐ必要は無いな。」
「いいですねぇ…。私なんか歩いてだったら30分はかかりますよ。」
ここから30分だと、学校までは軽く1時間近くかかる計算になる。そりゃ遠い。
「なんでそんなに遠くから通ってんの?」
「すぐ近くにアニメイトあるので♪
で、電車を使わないのは帰りにゲマズに寄るためです。」
筋金入りですね。
まぁ呆れ果てるのも疲れてきたし、いつまでも雨に濡れるわけにはいかんな。
「うち寄ってく?傘くらいなら貸してやれるけど。」
この何気ない親切な言葉をスイッチに、白石がいつかのように叫んだ。
「イベントキター!!」
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