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「でもなんで春彦は白石さんにこだわるの?それも異常に。」
旨そうにケーキを口に運ぶ進。かくいう俺はコーヒーだけだ。
「なんでってそりゃあ…」
「そりゃあ?」
「う~ん…なんというか…」
「じれったいなぁ。その性格早く直したほうがいいよ?」
性格というかボキャ貧なだけなんだよ。
誰か俺の頭に広辞苑をダウンロードしてくれ!
そんなこんなしているうちに進はケーキを食べ終え、セットの紅茶を飲み干した。
そしていきなり俺の鼻先まで顔を近づけて言った。
「もう僕から言ってあげてもいいよ?」
「いや。こういうのは自分で言うべきだ!
宣言しよう!!今度白石さんに会ったら…」
「何か私に用ですか?」
「「…………………。」」
進と一緒に錆び付いた機械みたいなぎこちない動きで首を90°曲げると、そこにはゆらゆらと揺れる白髪。
鷹のような鋭いツリ目。
間違いようが無く…目の前には白石 雪がウエイトレスの格好で立っていた。
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