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「由美、おせーよ」
先程のジュリエット…
姫と呼ばれる麗しの美少女、のはずだった。
「優姫が出て来ないからじゃないの!片付けだけには参加してくれちゃって…部員として、最後の挨拶まできちんとやりなさい!!」
「ダルい…」
この優姫と呼ばれた少年…
姫の呼び名を持つ事で知られる少年でありながら美少女の顔を持つ演劇部のダイヤモンド、
恵優姫(メグミユウキ)と云う人物なのである。
「ダルいって…片付けのが、よっぽどダルいでしょーに?変わってるわねぇ」
由美は諦めたかのように溜息をつき、姫の頭を撫で撫でしてやった。
「頭撫でたな、撫でたろ、はい100円~100円~」
と、姫が由美に手を差し出した。
「あぁ…も~」
由美がポケットから100円を取出し姫の手に握らせてやると、姫は嬉しそうに100円を握り締めて由美に満面の笑顔を向けた。
「可愛過ぎ!!」
由美は思わず姫を抱き締めそうになったが…
「別料金になりまぁす」
悪魔のような笑顔を浮かべて、姫が手を差し出す。
「由美先輩!騙されてますよ、騙されてます!!姫先輩は悪魔なんですよ!!!」
ポケットからお金を取出しそうになった由美を必死に押さえ付ける歩香。
「まぁ、そんな事より…早いとこ片付けしちまおうぜっ、午後からの授業に遅れちまうよ」
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