第一章、「姫と騎士と異世界」

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現実に引き戻されたような… そんな気持ちになりながら、由美は歩香と他の部員を連れて舞台裏に入って行く。 パイプ椅子は主に姫が片付けをする。     「よっ」 姫がパイプ椅子を5個程に束ね、両脇に抱えて軽々と運び始めた。 実は姫… あだ名や容姿とは裏腹に、怪力の持ち主である。 得意分野は力仕事。 「…よっ、いしょ~」 パイプ椅子を舞台下の引き出しのような場所にしまい込みながら、次から次へと運び入れて行く様子は工事作業員さながらの身軽さである。 「ん?」 と… 姫はパイプ椅子を片付けながら、床に落ちた何かに気付いた。 それを拾い上げて光りに透かす。
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