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「外人?」
思わず姫はその男に聞いてしまった。
「素晴らしい舞台だった」
その男は、姫に手を差し出し握手を求めて来る。
「あ、あぁ…どうも」
「何故、男子の格好をして居られる?」
握手を交わしながら、その男は姫の手をグッと握り締めながら尋ねた。
「は?え?どういう意味っすか?」
尋ねられた内容が全く理解出来ず、姫は目を丸くして首を傾げる。
「姫なのに、何故…男子の格好をして居られるのかと、聞いて居るのだ」
やっと意味が理解出来た。
姫の愛らしい大きな瞳が、男を鋭く睨み付ける。
「俺、男なんで」
「何!?男…なのか?」
「男です」
握手したままの手に気付き、姫が振り払う。
だが再び男が姫の手を取った。
「何す」
「落とし物が無かったか?銀細工のネックレスなんだが…」
「あぁ、あったよ…これでしょ?」
利き手を握られて居るので、ポケットから上手く出せなくて苦戦しながらも、ポケットからネックレスを取出す姫。
それを男は受け取った。
が…
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