第五十一話、「無視してやります」

29/57
前へ
/2464ページ
次へ
「私なんかが起こして良いのか?」 辛く切ない声で、皆は呆れたような溜息。 「少し待ってくれ、こんな泣き腫らした顔を見せたくない」 「仕方ないわねぇ、んじゃまぁ一回家に戻ってからにしましょうか」 ディナダンがセサミスの背中をドンッと叩く。 「せっかく帰って来たのに、セサミスさんは相変わらず段取り悪いなぁ」 ヒルディアが笑いながらセサミスの腕にギュッと絡み付いた。 「セサミス様、行きましょう」 ジズも微笑み、砂浜を歩き出す。 「確かにその泣き腫らした顔は姫殿には見せられぬな、醜い、フハハハッ」 ドラスルは姫を抱き締めながら砂浜を歩いて行く。
/2464ページ

最初のコメントを投稿しよう!

693人が本棚に入れています
本棚に追加