第五十一話、「無視してやります」

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<チゥッ> 桃が姫の腹の上で丸まって居た。 「!が、害獣が何で此処に居るんだ!?」 セサミスは入るなり桃を見て思わず床から飛び跳ねてしまった、すぐさま桃を掴んで部屋の外に摘み出す。 桃は何が何だか分からずに鳴いて居るばかり。 セサミスが扉を閉めると、ようやく何をされたのかを悟ったのか扉に齧り付いた。 だが… ディナダンがひょっこり現れて桃を抱き上げる。 「しーっ…今とても大事なところだからね」 <チゥッ> しょんぼりしたように桃は耳を下げてディナダンの腕におとなしく納まった。 部屋の中では今、何が起きて居るのだろうか… 扉に聞き耳を立ててやりたい一心を必死に堪えて、ディナダンは桃を連れて皆のところに帰って行った。
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