貧乏神に

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 弟が一人で遊びに行った時だった。            弟も他の子供達の遊びが楽しそうに見えたのだろう、子供達にいじめられることも知らずに近づいた時だった。            6年生の悪ガキが川を隔てて、弟に石を投げ始めた。            「やぁい、貧乏神はあっちへいけ。」            その言葉をきっかけにまわりの4、5人の子供達が石を投げ始めた。            私は急いで弟のもとに駆け寄り、弟をかばった、            確かにその頃の私達兄弟は貧乏神かもしれない。            穴の開いたボロボロの黄ばんだランニングシャツ、色褪せた半ズボン、まさに貧乏神だ。            私は弟をかばいながら思った。弟をいじめる奴はゆるさん!いつか必ずしかえしてやると、            そしてこんな貧乏生活を私達に味合わせた父親が憎かった。            しかし、今思えば、我が家にいた貧乏神は家族の愛、母親の愛、そして血を分けた兄弟の愛情はどんな貧乏になろうとも変わらない。それを教えてくれた。それが貧乏神の贈り物の始まりだった。
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