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「朱音ー入るぞー!」
階段を上がり部屋の前まできた俺は、寝ているだろう部屋主に、一応声をかけてから中へと入る。
漫画みたいには起こしてくれない幼馴染。これが現実か。
「おはよ。さく」
「起きてんじゃねーか」
ベットの上に体を起こした状態で、こちらに声をかける明音がいた。起きてるんなら、返事の一つくらいしたどうなんだ?
「うん。正確にはさくの声で起きたよ」
「そか、早く着替えてこいよ」
いつものやり取りに変わらない明音の対応に俺は、期待を込めることすらかなわず、それだけ伝えて部屋を出る。
やっぱり、漫画みたいに素敵なトラブルは起きない。これが現実。
そんないつもと変わらない普通の日常が意外と気に入っているのだが。
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