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―朝かもしれんよ。朝かもしれんよ。朝かも
ばん!っと、謎の女性の声を放つ目覚まし時計を乱暴に止める。
いつも思うけど、何なんだこの目覚ましは。
「んーー」
ベットから出て伸びをひとつする。
ついでに時間を確認すると、午前7時。いつも通りだ。何一つ変わらない朝を迎えた俺は、これまたいつも通り、顔を洗いに部屋を出て洗面所に向かう。
制服に着替えを済ませ、朝飯も食べずに家を出る。
そして、隣の家のインターホンを押す。
「はいはーい!さくちゃんねー、開いてるから入ってねー!」
俺はその言葉に従い水希家の中に入る。
「おはようさくちゃん」
出てきたのは、一児の母には見えない若さを持つ、ショートカットの女性、水希 雫さん。
「おはようございます、雫さん」
「ごめんね、朱音まだ寝てるから、起こしてきてもらえる?」
「わかりました」
俺は返事を返して二階へと続く階段を上がる。
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