ばぁちゃんの恋

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それから私達は居間で再びばあちゃんに「馬鹿夫婦」とトドメを刺され… 久しぶりに賑やかな食卓を囲んだのだ 楽しい食事の後、風呂にゆっくりと入り飲み物を取りに居間を通り過ぎた時 「おい!吠え巾着!」 ばあちゃんが私を呼び止めた 「なぁに?枯れた吠え巾着😏」 私はニタっと笑って立ち止まると、馬鹿野郎とマッチが飛んできた 「…色々とありがとう」 吠え巾着と言った声よりずっと小さな声だったけれど、私はその言葉が嬉しくて頷いた 「おやすみ…枯れた吠え巾着😁」 「この馬鹿野郎!」 飛んでくる帳簿やペンを交わしながら私は寝室に引っ込んだ 寝室では旦那様が布団の中で笑いを堪えて身悶えていた 「ウッ…ウッ…」 私はフンと旦那様の腹の辺りを足で踏み越えて後ろから布団に入った 寝る前に、旦那様がありがとうと言ったのを聞いた…気がした 馬鹿野郎とありがとうを沢山言われた日だったなぁ
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