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「藤原!……それで、あいつを撃て!」
それ?健一郎は陣内が言ったそれを探した。すると足元に陣内の回転式ピストルが転がっているのに気づいた。
『自分がやらなきゃ、陣内さんが殺される』
そう自分に言い聞かせた健一郎は、ゆっくりとピストルを拾い上げた。
そして使い慣れないピストルの銃口を、恐る恐る鬼粋に向けた。
「それで私を殺せると思っているのかい、藤原健一郎。君に私を殺すことは出来ない。いや、こう言った方がいいかな。
……君にはその銃の引き金を引く勇気はない」
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