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こんなについていない人生を今まで送ってこれたのも母がいたからに違いない。
そんな母をあんなに悲しませてしまうなんて、俺は最低な一人息子なんだろう。
でも、この判決も厳しすぎではないのか?いくら何でも、人ひとりを死なせてしまっただけで死刑だなんて……。
人の命を奪った罪は、自分の命で償えというのか。
それとも、死なせてしまった相手が悪かっただけなのだろうか。
そりゃ、悪かった、申し訳ないという気持ちでいっぱいだが、自分の立場というのか職業上、絶対に罪を犯してはいけないし、相手も相手。悪条件がこんなにも揃ってしまえば、死刑という判決は免れられないのだろう。
健一郎はあの時の、人生最大の運の悪さが出てしまった出来事を思い出していた。
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