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2006年11月30日
今からおよそ一年前。
それは今と同じ北風が吹き始め肌寒い日々が続き、仕事にも身が入らないような寒さだった。
健一郎の仕事は市民の安全を守る警察官だ。健一郎がこの職業を選んだ理由、それは亡くなった父が警視庁のエリート警察官だったからだ。
全て母から聞いた話だが、父は警視庁でベテランの刑事で、たくさんの人々に慕われていた。
仕事が忙しく、家にも帰って来ない日がほとんどだった。だから、父親との思い出がないのも当然だ。
しかし、父はある日殉職で亡くなった。幼い健一郎と最愛の妻を残して……。
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