719人が本棚に入れています
本棚に追加
健一郎にとって訊きたいことは山ほどあるが、まず最初に言ったのこの事だった。
「……お前はいったい誰なんだ」
その質問にZらしき男は両手を広げ、呆れたと言うかのように笑った。
「そんなこと、言わなくても君はすでに分かっているはずだ。
…………まあいいだろう、私は本郷神大の父親の本郷鬼粋(きすい)だ」
やはりそうだった。神大が言っていたことは本当だったのだ。
ならば自分の息子のためのゲームだったのが、陣内の手によって台無しになったのだ。普通の父親なら臓腑が煮えくり返る思いのはずだ。
最初のコメントを投稿しよう!