最期の機会

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「……な、…………なんで」 首もとに激痛が走った健一郎は、撃たれた勢いで倒れながらも眼球だけで銃弾が飛んできた方を見た。 そこにはモニタールームに入る前に見た、口元に笑みを浮かべる陣内だった。 その陣内の左手にはあるはずのない拳銃が握られていた。 頸動脈を撃たれた健一郎は、なぜ陣内が拳銃を持っているのか、なぜ笑っているのか、そしてなぜ自分が撃たれたのか、理解出来ない疑問が次々と出てくるのだが、だんだんと薄れゆく意識は、無情にも答えを与えることなく消えていった。
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